アンティークな木製の船がいっぱいのヨットハーバーをすり抜け おんぼろヨットは ぐんぐんと沖へと向かう。
沖には ところどころに 碇を下ろして停泊する船。そのいちばん奥にケリーの知人の船 ALIOTHが浮いていた。
1960年代に航海用として作られた 白い船。
とてもいい感じに朽ちていて あたたかみのある木製の船。
ケリーの慣れた手つきでボートを船にくくりつけ 白い船に飛び乗る。
船の持ち主は不在だったけど もちろん鍵などかかっていない。
(この島の住民の多くは 家も車も鍵をかけない)
デッキには脱ぎ捨てられた靴下とブーツ、汚れたマグカップとたわし、洗剤の空箱、何かを書き記したメモ。
船内にはキッチンも寝室もトイレもあり 机の上には古い地図が数枚 ソファーの上には ランドリーから戻ってきた くたくたのネルシャツやスエット ジーンズなどなどが無造作にたたまれていた。
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